ジュエリーが高いのはなぜなのか?
ジュエリーってどうしてあんなに高いんだ?と思う事ってありませんか?これ、ボクもそう思うんです。いくら希少性がある地金や宝石でも高すぎやしないか?って。
じゃあ、これを地金・宝石・枠作りの3つに分けて考えたいと思います。
まず、地金。地金はプラチナでも金でも構いませんがどちらの地金も未だに採掘されていますよね。ただ、採掘量に関して言えば全世界の金の総量ってどれくらいだと思います?調べてみたところこうありました。
ゴールド
「これまでの金の採掘量と埋蔵量 これまで人類が採掘してきた金の総量は約18万トンです。 これは、オリンピック公式競技用プールの約3.8杯分の量に値します。 そして地中の埋蔵量は、約5万トンと考えられています。」
全世界でたったそれだけ?プールは50メートルプールだと思うんですがそれの4杯に満たない量って少なすぎませんか?そりゃ希少価値あるよなって思います。見渡す限りではなく、見渡せる量って事ですもんね。
プラチナ
その埋蔵量は、なんと全世界を合わせてもわずか1万6千トンと推定され、金とは比較にならないほど希少です。 プラチナの歴史は金に比べれば非常に浅く、有史以来これまでに採掘された総量はたったの約5千トン程度と言われています。
プラチナの方がかなり少ない。金に比べて半分以下ですね。比重も1.5倍ほどあるから1グラム単位に考えてもかなり高いのは分かります。
ちなみに比重って分かりにくいんですけど、同じ形の金とプラチナがあるとすると、金が1グラムとするとプラチナは1.5グラムあるって事ですね。指輪の場合は大体5グラムほどがしっかりした造りの指輪ですが、その場合プラチナが5グラムだと金で作ったら約3.3グラムって事です。
次は宝石の希少性
どちらもかなり希少性という意味で間違いなさそうです。では、次の宝石の価値。宝石も宝石によって希少性は変わりますが、例えばダイヤモンドの場合こういった記事がありました。
「宝石用・工業用を合わせた、天然ダイヤモンドの全世界での総生産量を見ますと、近年では毎年25トン前後ものダイヤモンドが採掘されています。ダイヤモンド1ctが、0.2gなことを考えますと、その量はとても多いように見えます。
確かに、工業用のダイヤモンドには宝石用のような、見た目の美しさに対するクオリティーは求められませんので、採掘されたものの多くが利用されていますので、希少性があるとは言い難いでしょう。
しかし、資産価値の高い貴金属「金(ゴールド)」の全世界年間産出量を見ますと、2017年だけでも3150トンあり、これは工業用を含めたダイヤモンドとの比較でも、単純計算で126倍もの量になります。
このように考えますと、宝石用としてのダイヤモンド、特にグレードの高いものに関しては、希少性があると考えた方が自然です。」
とありますね。ダイヤモンドに限らず、エメラルド、ルビー、サファイア、アレキサンドライトに関してもここまでの希少性とは言わなくても希少性自体はある訳です。
まぁ、卸業時代にはコロンビアにエメラルド鉱山に買い付けに行っていた業者さんや、ルビーやサファイアの買い付けに行っていた業者さんなどの話を仕入れをしながら聞いていたのでそれはもう大変な苦労があるようです。
とくにダイヤモンドに関して言うとグレードの良い物はダイヤモンドのカッティングも含めてかなり少量なのだと思いますし、そういった希少性が価格に反映されているといって良いでしょうね。
枠作り
そして最後は枠作りです。枠作りは職人さんが不足しているという話もそこまで聞きませんし、技術の発展に伴って作り方自体は広がってきています。
ただ、これが分かってもらえないんですが、昔は石に合わせて枠を作っていたんです。しかし、今は枠に合わせて石を買うという事が普通になっています。枠に合う石を探す。だから、宝石を寸法で探すんです。
よく考えれば分かるんですが、天然物って形が不揃いなんです。天然ですからね。ダイヤモンドも同じ寸法に見えて結構違うんです。コンマ数ミリとかですけど、それが全体のイメージを崩します。そういった事を考えてるとそういった石に合わせて枠を作ると言った事が出来る職人さんの数は減っています。ある種分業仕事になっています。
石留め、磨き、枠作りといった感じです。一気に出来る所もありますが昔に比べればかなり減りました。技術は衰退していると思います。父親が職人なのでこれは確かです。
ちょっと、話がそれましたが枠作りに関しては希少性という事はないとしても作れるようになるまで修行というような時間と経験の蓄積が必要で1日で出来るものではありません。だから加工賃は仕方ありません。嫌なら自分で思い通りに作るしかないですがそれは無理というものです。
色んな希少価値が重なり合っての価格です。
そういった地金・宝石・枠作りの事を考えるとジュエリーが高いのは仕方ないのかも知れません。別に高くしたいと思って高くしている訳ではないですしね。
インターネットには多くの激安商品がありますが、安い商品には必ず理由があります。ネットの写真だけ信用したらエライ目にあったという事はよく聞きますし、そういった商品を見ると「マジか!」と驚く事もありますから。
希少性と希少性、そしてそれを扱う職人さんの加工賃を考えたら、どれかが欠けたら出来ませんからね。信用あるところで購入したり作ったりする方が納得出来るし安心できるんじゃないですかね(^^)
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