指輪の裏抜きをする理由

リングの裏抜き

指輪の裏抜きって何?

まずは「裏抜き」という言葉の意味ですけど、指輪の裏側の地金を彫っている事を「裏抜き」と言います。

リングの裏抜き

こんな感じで地金を抜いてます。何で抜いているかというと色々な理由があります。

  • 重すぎるから軽くする
  • 軽くして値段を安くする

といった理由があります。ジュエリーの場合、地金は1グラム当たりで計算するので、何も考えずに作ると値段があまりにも高くなってしまうのです。

地金をふんだんに使ったシルバーと全く同じに作ってしまうと信じられないほど重く高額になるんです。。。

シルバーで10グラムの指輪の場合、プラチナで全く同じように作ると20グラム程度になります。そして、現在の相場価格がシルバー1グラムあたり70円くらいで700円が地金価格ですが、プラチナは1グラムあたり3900円くらいなので、3万9千円!となるのです。。。

だから、シルバーのアクセサリーとゴールド、プラチナのジュエリーは同列に扱えないんです。

そんな訳でゴールドやプラチナで作る時は、指輪の裏側の地金を抜いて少しでも軽くして価格を抑える必要があります。ただ、裏抜きをする事で良くない事も。

指輪の裏抜きするデメリット

軽く安くして、お客さんに安く提供し価格競争をしてしまうと、せっかくお客さんの為にやっている事が逆効果になる事があります。それは、

  • 着け心地が良くない
  • 指当たりが悪い
  • 重量感がなく安っぽい

といったデメリットがあります。どの理由も価格競争をしている安物の指輪に多いんですが、着け心地が良くないというのは、抜いた側面の地金の処理が荒くて引っかかるという事ですね。これはすぐに分かります。同時に指当たりが悪く着けていても痛くなってしまうという事に繋がります。非常に良くない。

そして、最大のデメリットは見た目は重そうなのに重量感が全くなくてプラチナやゴールドなのに地金が薄く軽く安っぽく感じるって事です。これも安物の指輪に多い。

安物に感じる指輪は、共通して「ダイヤモンドまで低品質な物を使っている」という事

要するに価格ばかりを追い求め、裏抜きをやりすぎるとデメリットしかなく、お客さんは騙されたと感じ、お店に対する信用は落ちて、誰も得しないって事なんです。

こういった事が続くと「宝石屋は胡散臭い」と感じ始めるんですよね。。。

ブリリアントジュエリーがやってる裏抜き

宝石屋でも指輪が大好きなボクはそういった事でお客さんに失望されたくないので、裏抜きをする時でも気を付けている事があります。それは、

地金は抜き過ぎずに、裏側に巻き込むようにして地金を丸く削って指当たりを良くしています。

写真だけじゃ分かりにくいんですけど、裏抜きをするとしてもあまり抜きすぎず、地金を丸く処理するようにしています。下の画像は下手くそですけどリング断面の処理的にはこんな感じです。

リングの裏抜き

かなり荒っぽいですけど、断面を丸くして指当たり良くして指当たりや着け心地を良くするようにしています。それから、裏抜きだけの処理もありますがとても高額な指輪の場合は、裏抜きをしているだけで安っぽく感じる方が多いので、裏蓋という処理もあります。これも出来るだけ値段と相談しながらするんですがその裏蓋処理が下の指輪の画像です。

リングの裏抜き

こんな感じで指当たりと着け心地を考えて作っています。実際に指に着けても良い着け心地であり高級感もあるので、本当の裏抜き処理と言えますね。この裏蓋は格子状デザインですが、ハート型だったり唐草模様だったりと職人さんの洒落っ気で実は面白かったりします。本当に細部まで気を使ってるんですよ(^^)

価格だけで選ばないで欲しいですが、これはこちら側にも責任がありますよね。

ボクは出来るだけこういった裏側を明かすようにしていますが、有名なお店でも売上目標もあったりして値段の追求のあまり裏側スカスカで、ダイヤモンドもくずダイヤを使っています。

騙されるな!と言いたいですけど、見分けは難しい・・・でも

ボクはこういった商品を絶対に作りたくないし作らないですけど、お店に行った時は値段に釣られずによく見て欲しいです。実際に手に取り入る指に着けて着け心地や指当たりを実際に確かめて欲しいです。

うちはネットショップ専門なのですが、出来るだけ裏側の写真も載せたりして分かるようにしています。

ジュエリーって見た目は綺麗でも、素人目には分からないように手を抜いたりしているものなので、自分で分かる範囲でも指で感じて判断して欲しいですね(^^)

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